メッセージ
竹心道場 創立60周年に寄せて
竹
竹田 和正
(株式会社竹心会 代表取締役社長)
竹心道場は昭和四十年秋、竹心会創設者・竹田誠一郎によって開かれ、平成十五年に新道場へ移転して以来、老若男女、幅広い愛好者の方々の修業の場となり、このたび創立六十周年を迎えることができました。
私の曾祖父にあたる竹田誠一郎は、熱心な剣道愛好者として知られ、その人生哲学の根幹には常に剣道がありました。
剣の道は、勝敗を超えたところにある。己の心を鍛え、相手を敬い、日々の生活の中に活かしてこそ、真の稽古と言えよう。かくして剣を学ぶ者は、いずれ社会にその徳を還元する務めを負う。(竹田誠一郎談・『竹心会社史』より)
誠一郎は昭和四十二年、当代随一の剣客と謳われた大場文龍先生を師範に招聘。以後、竹心道場は隆盛をきわめることとなりました。
戦後の混乱による中断はあったものの、私の祖父の代には創業者の精神を継承すべく道場を再開。大場範士はじめ歴代師範のもと、伝統の灯は消えることなく現在に受け継がれています。
近年は道場にも海外からの見学・稽古希望者が訪れるようになりました。単なる競技としてではなく、剣道が重んじる精神性そのものに魅了される方が多いと聞いております。曾祖父が思い描いた「剣を通じた人間教育」という志に通じるものがあるのではないでしょうか。
竹心道場を守り、育てていただいた歴代の師範、そして門下生の皆さまにあらためて感謝を申し上げる次第です。
竹心道場が次の六十年に向けて、剣道を愛する方々の鍛錬の場として、また精神修養の場として、さらに発展することを願ってやみません。
令和七年十月